B級13. 貿易代金の決済と輸入金融 (消さないで><)

カリキュラムの概要

Yumeko san
Yumeko san
前回の内容は少し難しかったですが、覚えていますか?信用状取引でディスクレパンシーが起きた時の対応などについても復習しておいてくださいね。
わかりました!今日は前回の続きですか?
Rookie
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Yumeko san
Yumeko san
そうですね、今回も輸入金融について、学んでいきましょうね。信用状取引における資金回収方法や、その他の決済方法について詳しく解説していきます。
決済系の学習はどうも難しく感じてしまいますね…. でも貿易とお金は切っても切り離せないものなので、気合をいれていきます!
Rookie
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この記事で学ぶこと

  • 信用状取引における買取銀行の4つの資金回収方
  • 信用状を伴わない2つの決済方法
  • 輸入ユーザンスの3つの種類

買取銀行の資金回収方法

信用状を使った取引では、買取銀行が輸出者に建替払いを行います。さて、買取銀行はどのようにして資金を回収するのでしょうか。

4つの方法について解説します。

(1) 回金方式 (Remittance Base)

回金 (送金) 方式とは、信用状発行銀行が船積書類を受け取り、ディスクレがないと判断した時点で買取銀行へ送金し決済する方法です。

買取銀行がお金を回収するまでの工程は多く、書類の郵送期間や確認期間などにも時間を要します。その間の金利は輸出者負担のため、輸出者にとって金利負担が大きくなるのが特徴です。

(2) リンバース方式 (Reimbursement Base)

リンバース方式とは、信用状発行銀行が信用状の発行と同時に、補償(決済)銀行(Reimbursing Bank)に対して「買取銀行から請求がきたら支払ってください」と事前に指示を出しておく方法です。

つまり、リンバース方式は回金方式と異なり、買取銀行が補償銀行に資金を請求する形となります。

(3) デビット方式

デビット方式とは、輸出地の買取銀行にある、信用状発行銀行の口座から代金が引き落としされる方法です。これは買取銀行に信用状発行銀行の口座があることが前提で、原則買取と同時に代金が引き落としされます。

(4) クレジット方式

クレジット方式とは、輸出地の買取銀行にある、信用状発行銀行の預金口座に入金してもらうことで資金回収を行う方法です。これは買取銀行に信用状発行銀行の預金口座があることが前提となります。

以上、買取銀行の資金回収について4つの方法について解説しました。

Yumeko san
Yumeko san
B級試験では、これらの方式の違いが頻出で問われますので、得点が狙えるよう暗記してしまいましょうね。

信用状を伴わない2つの決済方法

次に、信用状を伴わない決済方法を2つ解説します。

信用状を使わない取引において、輸出地の銀行は「仕向銀行」、輸入地の銀行は「取立銀行」と呼ばれます。決済方法は、船積書類をいつの時点で輸入者に引き渡すかにより、以下の2つの種類、D/PとD/Aに分かれます。

D/P (Documents against Payment) 支払渡し

船積み書類と引き換えに、輸入者が決済を行う方法です。輸入者は、手形の決済を行なった後に、輸入地の取立銀行から船積書類を入手することができます。

D/A (Documents against Acceptance) 引受渡し

こちらも船積み書類と引き換えに、輸入者が決済を行う方法です。

輸入者は期限付手形に記載された期日に支払うことを約束すれば、決済をしなくても船荷証券などの船積書類を入手することができます。

D/Aでは支払いを行う前に船積み書類を入手することができるんですね。
Rookie
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Yumeko san
Yumeko san
支払いまでに少し猶予が生まれるんですよね。この2種類の決済方法は間違えやすく試験でも狙われるポイントですよ。しっかり覚えましょうね。

輸入ユーザンスの3つの種類

最後に、輸入ユーザンスについて解説していきます。より深く理解するために、あらかじめ、以下の3つの用語を覚えておきましょう。

KEYWORD
輸入ユーザンス:輸入地の銀行が、輸入者に対して決済の一時的猶予を与えること
輸入金融:輸入者へ輸入代金を融資すること
B/C (Bill for Collection) :輸入地の銀行が輸出手形の取り立てを行うこと

輸入ユーザンスの種類について、頻出の以下の3種類を押さえておきましょう。

(1) 本邦ローンとB/Cユーザンス

日本に商品を輸入する場合、日本の銀行が融資や支払い猶予を輸入業者に提供することを「本邦ローン」と呼びます。具体的には、輸出業者が出している荷為替手形は支払いが一覧払いになっていますが、日本の銀行が特別に融資や支払い猶予を提供する仕組みです。

これにより、輸入地である日本の銀行が輸入者に対して一覧払手形(D/P)の支払いを猶予し、特典を与えることを「B/Cユーザンス」と呼びます。つまり、輸入業者は柔軟な支払い条件で取引できるようになります。

(2) シッパーズ・ユーザンス

D/A決済では、輸出者が指定した期限までに支払いを約束することで、輸入者は船積書類を受け取ることができます。この支払い猶予の仕組みを「シッパーズ・ユーザンス」と呼びます。

また、シッパーズ・ユーザンスの中でも輸入地の銀行の海外支店などを輸出地の銀行とすることで、期限付き手形でも先に輸出地で買取がなされ、後ほど輸入地の銀行で代金を回収するといった方法もあります。これを「B/Cディスカウント」といいます。

B/CユーザンスとB/Cディスカウントがごっちゃになりそうです….
Rookie
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Yumeko san
Yumeko san
簡単に説明すると、B/Cユーザンスは一覧払手形を使用する際に、「輸入地」の銀行が支払いの「取り立て」を猶予してくれる仕組みです。一方、B/Cディスカウントは期限つき手形を使用する際に、「輸出地」の銀行が手形を先に「買取り」してくれる取引の形ですね。

跳ね返り金融

通常、輸入者は国内で商品を販売し、その代金を使って輸入代金を決済したいと考えます。しかし、販売代金の回収に遅れが生じ、輸入代金手形の期日までに支払うことが難しい場合もあるでしょう。

ここで、銀行が輸入者に対して資金の「つなぎ」として融資を行うことがあります。この融資が「跳ね返り金融」です。特徴的な点として、他の融資とは異なり、外貨のままではなく円貨にしてから融資が行われるのが一般的です。

なお、金利や為替の相場の動向によっては本邦ローンを利用せず、最初から円資金で融資を受ける場合もあります。これを「直ハネ」といいます。

Yumeko san
Yumeko san
誰が、どのように資金を猶予あるいは融資するかによって、少し言い方が変わるのがややこしいですよね。ここで解説した通りに暗記していってくださいね。

第十三回のチェックポイント

それでは、今回の頻出ポイントを振り返りましょう。

  • 信用状取引において、買取銀行が資金回収をするための4つの方法が分かる
  • 信用状のない取引、D/P決済とD/A決済の違いが分かる
  • 本邦ローンとシッパーズ・ユーザンスが何か説明できる
  • B/CユーザンスとB/Cディスカウントの違いが分かる
  • 跳ね返り金融とは何か説明ができる

輸出・輸入金融において、毎回出題されると言っても過言ではない用語ばかりをピックアップして解説しました。上記のチェック内容がちゃんと理解できた上で、次のカリキュラムに進んでくださいね!

Yumeko san
Yumeko san
また次回のトピックでお会いしましょう!